山梨ワイナリーツアー2日目はグレイスワインから。

蔦に覆われた建物は風格があります。

三澤社長が自らご挨拶に来てくださいました。

映像を見ながら、グレイスワインの歴史やワイン造りについて学びます。
講師は、グレイスワインの営業課長をされていてシニアワインアドバイザーの資格をお持ちの金子さん。
営業を担当されていますが、収穫のときは畑に出向いてブドウを摘むこともあるそうです。
畑や醸造の現場をつぶさに見ながら、日本だけではなく世界に向けてグレイスワインを発信していらっしゃいます。

7種類のテイスティング。
グレイスワインは、勝沼と明野、二つの畑を持っています。
同じ山梨県にあっても、土壌、標高、日照量、年間雨量などが違っています。
また同じ勝沼にあっても、グランクリュと謳われる鳥居平で造られる甲州はワンランク上。
樽甲州には鳥居平の甲州を主体に造られていて、やさしい樽の風味が味わいをよりふくよかにしています。

シャルドネは明野にある三澤農場が産地。
日照量の多さ、寒暖差から生まれる果実の成熟度がテイスティングから感じられました。
フラッグシップのキュヴェ三澤は時間が経つほどに開いてきて、ゆっくり味わいたくなるお味。
金子営業課長のテイスティング・コメントが素晴らしく、お料理の提案などにもうなづきながら勉強させていただきました。

この日のお昼は国道20号線沿いにあるビストロ・ミル・プランタンへ。

お店の裏手にもブドウ畑が広がっています。

地図が描かれたランチョン・マット。
勝沼周辺のワイナリーがほぼすべて描かれています。
右下にビストロ・ミル・プランタン。
そこから左斜め上の方向に中央葡萄酒=グレイスワインがあります。
昨日訪ねたマルスワインは、石和温泉駅の近く。
午後から伺うの予定のマルサン葡萄酒は右斜め上に。
なんとも分かりやすい地図です。

ミル・プランタンのソムリエ、五味さんにお料理に合うワインを1本チョイスしていただきました。
五味さんは、銀座にあるレストラン、レカンのシェフ・ソムリエを務めていた経歴をお持ちの方。
気さくでリラックスしていて、それでいて無駄のない所作のサービスは、お客様に安心感を与えてくれます。
山梨県産のものが充実しているワインリストはとても魅力的!
私たちはグレイスワインでたくさん試飲をしましたので、いろいろ飲みたいのを我慢して、ランチのワインは1種類だけにしました。笑

地元の新鮮なお野菜がたっぷりのサラダ。

甲州麦芽ビーフのグリル。
選んでいただいたメルロー隼山とぴったり!
ちょうど窓から隼山が見えました。

敬愛する師匠の武田さんとツーショット。

午後からはマルサン葡萄酒へ。
お天気が少しずつ回復してきて、日光がまぶしくなってきました。
ブドウがあちこちにぶら下がっているブドウ棚の下に入ると、気温が下がって心地よいです。

マルサン葡萄酒はワイナリー名で、もう一つの名を若尾果樹園といいます。
醸造用のブドウと生食用のブドウと両方を栽培しているからです。
ブドウ栽培は約400年、醸造は60年の歴史を持つ、家族経営のワイナリー。
江戸時代、勝沼の地は甲州街道沿いにある宿場町として栄えていました。
その当時からブドウ栽培をしている老舗の果樹園。
お話を伺っていると、お侍さんがブドウを幸せそうに頬張っているところを想像してしまいます。

代表を務める若尾亮さんが私たちを案内をしてくれました。
現在25種類ものブドウを栽培しています。
ブドウ棚の下でブドウの試食もしました。
食べ頃の甲斐路、ウルバナ、シャインマスカット、ピッテロビアンコ、ピオーネの5種類。
初めて名前を聞いて食べる品種もあって、それが美味しくてびっくり。

上の写真は甲州を醸しているところ。
オレンジ色をした果帽(果皮や種子が果汁の上に浮き上がったもの)が見えます。
典型的な甲州はプレスしたジュースのみをアルコール発酵させていきますが、マルサン葡萄酒が造る「醸し甲州」は5日間(と聞いたように思うのですが、違っていたらごめんなさい!)マセラシオン(皮や種を漬け込みながら発酵)します。
甘みを伴った発酵臭が近くにいると薫ってきました。

断熱材を張り巡らした倉庫。
夏でもひんやりしていて、7・8月以外はエアコンなしでも大丈夫なのだそう。

醸造所を見学した後は畑へ移動。
ワイナリーから10分ほど歩いた場所にあります。
のどかないい眺め。

ゆるやかな斜面になっているブドウ畑に到着。
真下に一面に広がっている樹、これすべて甲州の樹です。

たわわに実る甲州。
ちょうど私が立ったときの目の前にブドウがあります。
(ちなみに私の身長は159㎝)
薄紫をして成熟しつつある甲州が見渡す限りに実っている光景に興奮してしまいました!

若尾さんのお話によると、甲州の収穫は9月下旬から10月上旬。
青っぽい香りや酸を出したい造り手は早めに収穫をし、酸を抑えたい造り手は遅めに収穫するとのこと。
糖度はそれほど変わらないそうです。
マルサン葡萄酒では、酸が落ち着いた造りにするために10/10ごろ収穫予定とおっしゃっていました。

木になっている甲州を何粒かいただきました。
やさしい甘みと酸のある果肉。
カリッと芳ばしくなった種。
噛むとじわりと渋みが出てくる皮。
10/10にはどんな味になっているのか気になりました。

畑を出た先に鳥居平が望めました。
山の斜面の木々が切り取られた場所に鳥居の模様が見えます。
大文字焼きのように、鳥居の形に送り火がされるそうです。
その直下が鳥居平の畑。

葡萄園に戻ってテイスティング。
歩いて乾いた喉が潤います。
ブドウ棚の下の木陰でお昼寝したい気分に。

帰り道、中央道から八ヶ岳を見ることができました。
山梨ありがとう!
またいつか!